地球環境科学分野の野口助教と指導学生が参加する研究チームの成果が国際誌(Nature Communications)に掲載されました

2021/06/25

地球環境科学分野の野口助教と大学院生の尾沼日奈子さんは、慶応義塾大学・神戸大学・東北大学・京都産業大学に所属する研究者らと共に、金星の大気に関する共同研究を進めています。その研究成果の一部が、英国ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)発刊の国際学術雑誌 Nature Communications のオンライン版にて公開されました。

詳細は、本学のプレスリリースをご覧ください。

金星(写真)は地球の双子星とも呼ばれていますが、その気象は地球とは大きく異なります。我々が現在持っている気象学の知識の大半は地球大気の研究から得られたものですが、他の惑星の気象にもそのような知識が応用できるかを調べることで、地球気象学をより一般化した惑星気象学の構築が目指されています。今回の研究成果も、地球大気におけるジェット気流や低気圧から自発的に励起される大気波動の一種(大気重力波)が金星大気中ではどのように現れるのか、そのメカニズムの解明に焦点が当てられています。

惑星気象の研究は、地球そのものの気象をより良く理解することにもつながります。地球気象を深く理解することで、環境問題の解決にも貢献することができるでしょう。

環境科学コースに所属する野口研究室では、地球気象との比較を意識しながら金星や火星の気象学に関する研究が行われています。その研究手法は、惑星探査機による観測とともに大規模な大気シミュレーションも用いたデータ解析です。尾沼さんは卒業研究において世界最高解像度の金星大気シミュレーションデータを解析し、そこで得られた知見が今回の研究成果に含まれています。

環境科学コースの学生は、このように様々な研究活動を通して環境科学の知識に加えてデータ処理やプログラミングの技術の習得にも励んでいます。


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