コース長よりご挨拶 / 地球環境科学分野 村松加奈子 教授

地球環境科学分野 村松加奈子 教授

環境科学コースが新しく設置されて今年で3年目になります。ひとことで“環境”といっても,地球全体の問題から地域や身近な問題に対応するものなどスケールの幅も広く,必要とする専門知識も従来の学問の数学・物理・化学・生物・地学の各々だけではなくいくつかが関連しあっています。

 

環境科学コースでは,環境とは関連の深い生物・化学・地学の基礎知識を習得しつつ,それらの知識を生かしながらモデル的アプローチや時空間的アプローチに計算処理技術を使って,現象の理解や対策を考えることができる能力を,学生さんには身につけていただきたいと思います。近年は気象・衛星や地上におけるモニタリングデータが長期間にわたり取得・蓄積されてきています。これらのデータを用いて観測結果を分析したい場合・長期的な変動を研究したい場合・地上で観測したデータを空間的に広げて解析したい場合・将来予測やその結果から対策を考える場合・モデルを作成していくつかのシナリオを考える場合などには,計算機の力を借りることになります。そのため計算機を用いた実習には力を入れています。また,環境問題をテーマに研究するためにいくつかの分野を幅広く学習することも,生物や化学に関する分野に特化して学習することもできるように,柔軟なカリキュラムを組んでいます。

 

最近はインターネットで環境に関わるニュースや最新の研究成果に関する情報もいち早く公開されています。環境科学コースの学生さんには,環境に関するニュースなどにも関心をもって日常生活を送っていただきたいと思います。ただし,インターネット上には有益な情報ばかりが公開されているわけではありません。これらの中から何が真実で何が重要かを見極める力を,大学での学習や研究を通して身につけ,自分の立ち位置を明確にした上で,雑音に惑わされずに自分の意見をしっかり持った大人へと成長していただきたいと思います。

 

来年度からは環境科学コースとしては初めて4回生が卒業研究に取り組みます。この卒業研究を通して,論理的に考える力・問題を解決する力・論理的に説明する力・文章力などが身に付きます。スタッフ一同,環境科学コースの皆さんと研究を行うことを楽しみにしています。

 

2016年5月26日 環境科学コース長 村松加奈子

 

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